メーカーごとの得意領域に着目
制御盤メーカーの正しい選び方

制御盤と一口に言っても、企業によって頼むべきメーカーは様々。
本メディアでは、制御盤を探している企業に対して、メーカー選びの
ポイントや、おすすめメーカーを紹介しています。

制御盤メーカーを選ぶ際に
注目すべきポイント

POINT 設計品か、既製品か

制御盤を導入するにあたってまず考えるべきなのは、自社に合わせて設計してもらうのか、既製品を調達するのかという点です。当然、設計品と既製品とでは、依頼すべきメーカーは全く異なってきます。
例えば、既製品の場合は、配線や部品を取り付けるための穴をあける作業が必要ですが、設計品の場合は穴あけ作業は不要です。
このように設計品と既製品で違いがあるため、まずはそれぞれのメリット・デメリットを参考に、どちらにするかを決めましょう。

設計品

メリット
  • 自社に合った形・仕様で納品される
  • 自社に合ったサイズにできる
デメリット
  • 既製品と比べて導入コストがかかる

こんな企業にオススメ
  • 自社のニーズにピッタリ合ったものが欲しい
  • (例:重耐塩塗装や冷却装置が必要、決まったサイズなど)

  • 10個以上の大量発注をしたい

既製品

メリット
  • 納品が早い
  • 設計品よりも導入コストが安い
デメリット
  • 自社に合ったものが用意されていない可能性がある
  • 穴あけ作業が必要
    (大量購入の際、穴あけ費用で設計品の方が安くなるケースもある)

こんな企業にオススメ
  • 急いで納品してほしい

  • 導入する数が10個未満と少ない

制御盤を発注するならこの3メーカー

設計品(屋外)なら

株式会社マエショウ

マエショウ公式
画像引用元:マエショウ公式 :https://www.maesyou.com/

株式会社マエショウの特徴

POINT
年間20,000面という
豊富な屋外盤納入実績
マエショウはオーダーメイドの盤設計に対応する盤メーカーですが、そのルーツは板金加工。
精密板金技術に強みがあるので、設計から筐体製造にいたるまでの製造過程を内製化しています。
このようなハイレベルな社内一貫生産体制だからこそ、低コストで高品質な製品を大量生産することが可能に。結果的に、年間20,000面という納品実績に結びついています。
参照元:マエショウ公式HP(https://www.maesyou.com/thereason/通信大手3社様へ20000面年の納入実績/
POINT
屋外環境を再現した
試験装置で、盤の品質を担保
屋外に設置される盤は、雨風に対する耐久性や直射日光による熱への対応策の有無が盤の安定稼働の維持に大きく関わります。板金加工業がルーツにあるマエショウは、設計から材質選び、板金加工、塗装といった工程全般に対応できる総合力を持っています。
さらに、完成品の精度の高さはもちろん、マエショウでは、防水・防塵・環境(温度)・騒音の観点で製品の性能をチェックする試験設備を自社で所有。
厳しい自然にさらされる設置場所で、安心して長く使える性能を保持しているかをチェックして、製品の品質を担保しています。
POINT
ワンストップの生産体制でコストを削減
板金加工メーカーとして創業し、1991年からは盤内の電気配線事業にも事業を拡大してきたマエショウ。その歴史の中でノウハウを蓄積してきた技術者が社内に多数存在するからこそ、設計・組立・検査といった一連のプロセスをワンストップで対応できます。
さらに同社では、72時間の無人運転が可能な機器を複数台所有。効率的な大量生産を可能にしています。
長い歴史の中で経験豊富な人材と効率的な生産ラインを掛け合わせ、高品質と低コストの両立を実現しています。
参照元:マエショウ公式HP(https://www.maesyou.com/thereason/ip:保護等級・騒音・温度を解決する社内試験設備/

株式会社マエショウの納品事例

屋外光レピータ盤

通信に必要な伝送装置や光成端箱が収容できる屋外盤。
屋外光レピータ盤の中はJIS規格の19インチラックを搭載しており、19インチラック内には伝送装置の他に電源切替盤・整流器など、その他の機器も収容が可能です。 防水性能、塩害対策、熱対策も施されています。

引用元:マエショウ公式HP
https://www.maesyou.com/product/屋外光レピータ盤/
電光表示 制御盤

屋外に設置された自立型の電光表示板と制御盤が一体型になった製品。
制御盤の奥行きが200mmと薄型にすることで、盤全体を軽量化。 制御盤への配線はパイプの内部を利用しており、外から引込み配線が見えない盤構造になっています。

引用元:マエショウ公式HP
https://www.maesyou.com/product/電光表示 制御盤/
天井クレーン制御盤

屋内設置用の天井クレーン制御盤。
内部の制御機器はインバータとPLCが中心の制御回路となっています。 筐体をビス組構造で製作しており、溶接の筐体と比べ、安価に製作が可能です。高さが1,800mmを超える盤であっても、ビス組構造であれば量産する事にも向いています。

引用元:マエショウ公式HP
https://www.maesyou.com/product/天井クレーン制御盤/

株式会社マエショウの企業情報

本社所在地 愛知県西尾市吉良町宮迫樫木31-187
電話番号 0563-35-3235
公式HP URL https://www.maesyou.com/
設計品(屋内)なら

布目電機株式会社

布目電機HP
画像引用元:布目電機公式HP :https://www.nunome.co.jp/

布目電機株式会社の特徴

POINT
屋内盤では5,000面以上の実績を誇る
盤メーカーとして電源関連の制御盤や分電盤、配電盤の受託製作にワンストップ対応する布目電機。海外規格の適応にも強みを持つなど、屋内盤の製作でオススメできる会社といえます。
屋内盤の製作実績数は5,000面以上(2022年1月時点)。それだけの実績を持つ布目電気であれば、安心して屋内用の制御盤設計を依頼できるでしょう。
参照元:布目電機公式HP(https://www.nunome.co.jp/business/panel.html
POINT
アメリカ規格・UL508A認定取得の生産体制
布目電機にはUL508A認定工場があります。これは、アメリカ保険業者安全試験所が定める電気製品関連の安全規格の認定工場であることを意味します。
アメリカに生産拠点を持つメーカーに納入する屋内盤であれば、州ごとの違いはあってもUL認定が求められるもの。豊富な海外規格盤の納入実績のベースには、自社工場がUL508A認定工場であるという生産体制の強みがあるのです。
POINT
トランスメーカーとしても高いシェアを誇る
特殊用途向け小型トランスのメーカーとして1973年に設立した布目電機。トランス(低圧乾式絶縁変圧器)に関して、日本国内で多くのシェアを獲得しています。(2022年1月時点)国内向けの他に、北米やヨーロッパなどの規格適合製品も多数ラインナップしています。
主な取引先の分野は半導体関連・工作機械・産業用機械・自動車関連など。中でも半導体関連メーカーでニーズが高いCE(COPY EXACTLY!)対応を重視した変更管理体制は大きな強みです。
参照元:布目電機公式HP(https://www.nunome.co.jp/products/

布目電機株式会社の納品事例

布目事例

UL508A盤はラックマウントでも対応可能。
ユニットごとに分離させ、ラックマウントするなど、「装置の一部」として組み込む『オープンフレーム構造』で製作することができます。

引用元:布目電機公式HP
https://www.nunome.co.jp/case/ul508a-panel-rackmount.html
布目事例

「コントロールユニット」と「電源分電ユニット」を分割して、19インチラックにラックマウント型として組み込み、「電源分電ユニット」部分のみUL認定取得を取得して製作するという対応をしています。

引用元:布目電機公式HP
https://www.nunome.co.jp/case/ul508a-panel-rackmount.html

布目電機株式会社の企業情報

本社所在地 愛知県名古屋市中川区
大当郎2-1107
電話番号 052-301-6851
公式HP URL https://www.nunome.co.jp/
既製品(屋内・屋外)なら

日東工業株式会社

日東hp
画像引用元:日東工業公式HP:https://www.nito.co.jp/

日東工業株式会社の特徴

POINT
屋内盤/屋外盤の標準品を
豊富にラインナップ
日東工業は電気機器・設備の総合メーカー。製品ラインナップの大カテゴリーだけを見ても、制御盤の他に高圧受電設備や分電盤、電気自動車用充電器など、幅広い既製品を取り扱っています。
制御盤のバリエーションは、遮断器+サーマルリレーまたはモータブレーカの保護方式によって大別され、それぞれ屋内用/屋内・屋外兼用/屋外用と設置環境別に多数のバリエーションを取り揃えています。加えて盤用パーツやキャビネット、熱関連機器なども提供しています。
POINT
性能評価試験で
規格化された品質の高さ
既製品の良さは、均一化された製造ラインにより、一定の品質が担保されているという点。日東工業は製品を多数取り揃えているのに加えて、性能評価試験に注力している点もポイント。
既製品として一定の品質を担保するため、耐震・風雨・防塵・防水・日射・短絡試験と幅広い実験施設を用意しています。 それにより製品の設置環境における信頼性や耐久性をチェックしつつ、試験データの蓄積は製品の改良や新製品開発にもフィードバックされています。
POINT
効率的に
スタンダードモデルを生産
屋外に設置される盤の筐体に求められる性能は、設置環境によって様々です。多岐に渡る屋外盤の筐体に対するニーズに対して、日東工業は 優れた自動化ラインを導入することで、多品種少量生産を実現。品質を保たれた標準品は完成後、順次ストックされているので、急な発注であっても対応可能。すぐに納品体勢に移ることで、安定した品質と短納期の両立を実現しています。
参照元:日東工業公式HP(https://www.nito.co.jp/strength/production/

日東工業株式会社の納品事例

公式HPに納品事例はありませんでした。

日東工業株式会社の企業情報

本社所在地 愛知県長久手市蟹原2201
電話番号 0561-64-0152
公式HP URL https://www.nito.co.jp/

制御盤の設置で
着目すべきポイント

POINT 設置するのは屋内か、屋外か

設計品か既製品かという観点の他に着目すべきなのは、制御盤をどこに設置するかということ
屋内用と屋外用では、構造や求められている性能が異なるのです。

  • 屋内盤:ほこり・粉塵などが盤内に侵入しないような構造が必要
  • 屋外盤:ほこりや粉塵に加えて防水、熱、騒音などへの対策が必要

各社で得意としている分野は異なるため、当然、屋内用が得意なメーカーもあれば、屋外用が得意なメーカーもあります。
ここまでご紹介したポイントをもとに、自社のニーズにしっかり応えてくれる盤メーカーを選びましょう。

屋内盤の設計が依頼可能な
企業一覧

既製品・設計品を問わず、屋内盤の設計・製作を取り扱っている企業をまとめて紹介しています。製品及び企業としてどういった特徴や強みがあるのかや、実際の納入事例もあれば合わせて取り上げています。

岡田電機株式会社

盤メーカーでありながら、関連会社にはシステムベンダーや電気設備メンテナンスを手掛ける企業もあり、製造業に携わる企業を幅広くサポートできる体制を持っています。製品ラインナップにはメカトロ制御盤やプラント制御盤もあります。

株式会社ティエスイー

株式会社ティエスイーは、工場・オフィス・下水処理場・廃棄物処理場・発電所など産業システムから暮らしを支える公共システム、電力システムにおける盤事業を行っています。制御盤は設計からアフターメンテナンスまで一貫して依頼が可能です。

キムラ制御システム株式会社

キムラ制御システム株式会社は、制御盤をまるごと発注可能な会社です。納品まで一括してワンストップで行ってくれるので、各発注を別々の会社に行った場合に発生するような管理の手間が抑えられます。図面を発注するだけなので利用しやすいです。

COM電子開発株式会社

主要取引先には日本電気グループ各社や東京大学、理化学研究所、JAXAなど高い科学技術を要求されるクライアントが並んでいます。主力製品は複合エレクトロニクス技術関連で、ソリューション提供や盤の施工やメンテナンスも依頼できます。

双庸電子株式会社

制御盤の制作実績は1,000台以上と公式HPで明記するほど、確かな納入実績を持つ盤メーカー(2022年1月時点)。さらに、ハーネス製作事業にも注力しており、その技術は制御盤製作でも活かされていて、相乗効果を生んでいます。

参照元:双庸電子公式HP(https://soyodenshi.co.jp/service/seigyo/

東レエンジニアリング西日本株式会社

東レグループの企業で営業担当は西日本エリア。大型制御盤や重量制御盤といった製品をラインナップしており、PLCやタッチパネルなどソフトウェア開発込みのオーダーにもワンストップ対応。既存制御盤の更新や改造も頼めます。

特殊電装

大阪府東大阪市に拠点を構える「特殊電装」には、多くの設計者が在籍しているため、一貫したトータルサポートが可能です。もちろん試運転も設計担当者が対応してくれます。幅広い業種の多様な機械の制御盤製作の対応が可能な点が特徴的。

内外電機株式会社

制御盤のラインナップは空調・遠方操作・ポンプ制御・電極切替・電磁弁制御と5製品を取り扱っています。産業施設の電気機械器具全般の取り扱い範囲が幅広く、分電盤やキャビネット、プラスチックボックスなどの製品も依頼できます。

長嶺電機株式会社

公益性の高い政府や団体への多くの納入実績がある長嶺電機。工場はJSIA認定を受けており、技術資格所有者が在籍しています。また、防錆対策としてステンレス鋼板の製造もサポートしています。

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布目電機株式会社

発注する企業側では要求仕様書だけを用意して、制御盤・分電盤・配電盤の製作をオーダーできるメーカーです。UL508A認定工場を持っていて、ワンストップ対応で製作できますし、変更管理体制も整っているのが強みです。

阪神機器株式会社

キャタピラージャパンや三菱電機といったグローバルレベルのメジャークライアントとも取引実績を持つ企業。他にも発電所や変電所、医療施設など信頼性や安定性が求められる施設に製品を納入していて、小ロットから多品種まで製作できます。

三笠精機株式会社

スタッフには複数の電気工事士有資格者がいて、盤の発注に対して設計や製作を担当するだけでなく、設置場所での調整なども含めてサポートしてくれます。発注時、ラフ画像やアイディアレベルから相談を受けてくれる姿勢も顧客重視といえるでしょう。

ヤマカワ電機産業

山形県東置賜郡に拠点を構える「ヤマカワ電機産業」は、高低圧配電盤製作や自動制御盤製作、分電盤製作などを行っている企業です。新設の工場やビル、施設などに用いる機械制御を目的とした制御盤を完全オーダーメイドで対応しているのが特徴。設計から完成まで一貫体制の為、短納期で応じられるよう努めています。

有限会社坂井製作所

1つの製品製作を担当するのは1人の技術者という、多能工主義を導入しているのが大きな特徴。ある意味属人的な業務体制ではありますが、発注側のニーズにできるだけマッチさせるため、スキルが高いスタッフがいてこそ可能な体制です。

屋外盤の設計が依頼可能な
企業一覧

既製品・設計品を問わず、屋外盤の設計・製作を取り扱っている企業をまとめて紹介しています。製品及び企業としてどういった特徴や強みがあるのかや、実際の納入事例もあれば合わせて取り上げています。

荏原商事株式会社

太陽光発電をはじめとする各種再生エネルギー関連設備・製品が主力事業ではありますが、産業用太陽光発電ソリューション事業に関連してパワーコンディショナ屋外盤の製作に対応。耐塩・遮熱塗装もオプション対応できます。

株式会社 久野製作所

1948年創業で長い歴史を持つ愛知県の盤メーカーで、1点モノのオーダーから対応。製作工程の中でも特に板金加工と粉体塗装を得意としています。コスト意識やエコ対策意識が高いのも特徴で、未付着の塗料はリサイクルしています。

株式会社 三進製作所

オーダーメイドでの制御盤製作に取り組むメーカー。特にプレス加工技術と塗装技術をアドバンテージとする企業で、製作業務のオンライン化やこまめな設備刷新による効率化に取り組んでいて、品質向上と納期・コスト抑制の両立に積極的です。

株式会社昭電

提供するのは総合防災エンジニアリングで雷電対策や地震対策を中心とした各種トータルソリューションとなります。取り扱い製品の中には監視制御盤があり、SDW-MCSというシリーズはカスタム設計の発注も可、屋外・屋内用両方揃っています。

株式会社 たつみ電機製作所

制御盤メーカーでもありますが、自社製品としては屋外収納箱や防音設備なども提供しています。試験設備が充実しているのが特徴でもあり、制御用精密測定機器や高低圧耐圧試験装置、各種リレー試験装置などが揃っています。

株式会社マエショウ

多種多様なオーダーメイドに応えることができる盤メーカーですが、特に強みとするのが屋外盤製作。板金加工でも高い精密板金技術を持っているほか、防水・防塵試験や環境(温度)性能試験、騒音試験の専用設備を用意しているのもオススメポイント。

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河村電器産業株式会社

取り扱い製品の主なラインナップはポンプ・消火栓ポンプの制御盤やキュービクル、分電盤など。会員企業に対するサービスが充実していて、製品選定や作図支援の関連ツールなどを提供していますし、製品図面のダウンロードもできます。

日東工業株式会社

標準品として制御盤やキャビネットを筆頭に様々な製品を取り揃えていて、公式HPで検索しやすいのもUI・UXを大切する企業といえます。特注品も請け負っていますが、生産体制をシステム化して短納期で対応できるのは強みです。

有限会社 富士電機工業

制御盤やコントロールパネルの設計・製作に注力している盤メーカー。クライアント企業のニーズに沿った製作が可能で、筐体のオーダーメイドもあれば、盤の小型化やコストダウン、さらに海外規格適応など内製化で対応しています。

横河電機株式会社

自社が製造業大手でありグローバル展開もするほどの企業で、主力事業は大規模プラント向けの総合制御システムです。多数ある製品ラインナップの中には制御盤もあり、製品の一般仕様書や外形図、技術情報など公開しています。

別川製作所

配線事業において、制御盤や分電盤、高圧受電設備、コントロールセンターなどの設備を提供しています。防塵・防雨性のほか、設備の美観に関してもこだわりを持つ別川製作所。保守や設備の更新といったサポート体制も力を入れており、安全な運用を目的とした予防保全を心掛けています。

制御盤の
基礎知識

制御盤の発注担当者に向けて、盤メーカーの選定や発注に役立つ基礎知識を集めました。制御盤とはどういった機器で、設置場所による違いや重視すべき性能や仕様などを網羅。主だった専門用語も解説しています。

制御盤とは

制御盤の主な利用産業・設備などを紹介しています。設置場所は工場などの施設内に限らず、屋外設置するケースもあり、耐候性に関連する制御盤の塗装方法や塗料についても知っておきましょう。

制御盤・分電盤・配電盤の違い

制御盤製作に対応しているメーカーは、分電盤や配電盤も手掛けているケースが珍しくなく、こうした製作会社を「盤メーカー」と呼ぶこともあるほど。制御盤・分電盤・配電盤を混同しないように、それぞれの役割を確認しておきましょう。

屋外用の盤・屋内用の盤

屋外に設置される制御盤は屋外盤、屋内に設置される制御盤は屋内盤と表記します。制御対象となる機器や設備は同等であったとしても、設置場所次第で筐体に求められる保護性能に大きな差があるのです。

制御盤の筐体って?

制御盤内部の機器類はデリケートなため、筐体によって強固にカバーする必要があります。制御盤の筐体製作に関する素材の違いや、防塵・防水などの保護等級、オーダーメイドという製作方法などについて紹介していきます。

制御盤を小型化したい

制御盤の製作においても多くのニーズがあるダウンサイジング。制御盤メーカーへの発注にあたって、小型化を実現するための方法を紹介します。より細かなニーズを反映させるための、設計品という選択肢も知っておきましょう。

用語集

制御盤の製作・発注に関連して、技術者でなくとも知っておきたい基礎的な用語をリストアップ。概要を簡潔にまとめました。製品カタログやメーカーからの見積書を見比べる際に役立つので、ぜひとも覚えておいてください。

特集:配電盤の設計について

電気を制御するうえで、欠かせないのが配電盤です。配電盤は、主に電力会社などの高圧受電設備から送られた電気を変換し、各所へ分ける(配電する)ための装置です。キュービクルとも呼ばれています。一般的な配電盤は樹脂製・金属製の筐体に入っており、大型のものは漏電遮断器や制御用のユニットが組み込まれている場合もあります。

電力会社などから送られる電気は、そのままでは数千ボルトの高圧な状態です。適正な電圧で使用するためには、電圧を下げる(降圧する)必要があります。電圧が高いまま配電してしまうと、装置の破損を招いてしまうでしょう。配電盤は変圧器によって電圧を下げる役割を担っており、低圧の電力を分電盤へと送っています。

配電盤は設計がとても重要な装置です。制御盤の場合と同じく、ハードウェアそのものの設計はもちろん、回路図もしっかりと描く必要があります。

配電盤の設計は、電気設備用のCADを使用して行います。しかし、電気設備に関するさまざまな知識と経験が求められるため、自分自身で設計するのは困難と言わざるを得ません。そのため、メーカーへ設計を相談することが望ましいです。メーカーに配電盤の設計を依頼することで、回路の設計ミスなどを防止できます。なお、多くの制御盤メーカーが配電盤を取り扱っています。

配電盤の設計をメーカーに依頼する際は、コストと納期に注意しましょう。設計品は、既製品と比べて費用が高く、納期が長くなる傾向があります。設計してもらう際は、必ず設計費用・納期を確認しておきましょう。

その他基礎知識について

制御盤の故障を防ぐための対策方法

制御盤の大敵とも言えるのが、熱、異物、結露です。制御盤の故障を防ぐためにはこれらの対策を取らなくてはいけません。制御盤は、換気や冷却が可能なものを選び、過熱や結露が起きないようにしましょう。また、自身もしくは業者に依頼して定期的なチェックやメンテナンスを行うのも大切です。

制御盤はどのように設計される?

制御盤の設計は、通常の仕事と同じように申込みから打ち合わせを経て契約となってから行われます。制御盤はランプやブレーカーといったさまざまな部品で構成されており、担当者はこれらの設計を行います。また、設置する場所によっては水分や熱、寒さ、砂や土といった周辺環境に強いかどうかを確かめるための耐久試験を要します。

制御盤制作はどんな流れで行われる?

制御盤の制作の流れをご紹介します。制作盤にミスがあれば正常に作動しません。正しい流れでの制作が求められるものなので、行き当たりばったりで制作するのではなく、「正しい流れ」にて制作しましょう。