メーカーごとの得意領域に着目
制御盤メーカーの正しい選び方
制御盤と一口に言っても、企業によって頼むべきメーカーは様々。
本メディアでは、制御盤を探している企業に対して、メーカー選びの
ポイントや、おすすめメーカーを紹介しています。
メーカーごとの得意領域に着目
制御盤メーカーの正しい選び方
制御盤と一口に言っても、企業によって頼むべきメーカーは様々。
本メディアでは、制御盤を探している企業に対して、メーカー選びの
ポイントや、おすすめメーカーを紹介しています。
制御盤を導入するにあたってまず考えるべきなのは、自社に合わせて設計してもらうのか、既製品を調達するのかという点です。当然、設計品と既製品とでは、依頼すべきメーカーは全く異なってきます。
例えば、既製品の場合は、配線や部品を取り付けるための穴をあける作業が必要ですが、設計品の場合は穴あけ作業は不要です。
このように設計品と既製品で違いがあるため、まずはそれぞれのメリット・デメリットを参考に、どちらにするかを決めましょう。
メリット |
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デメリット |
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(例:重耐塩塗装や冷却装置が必要、決まったサイズなど)
メリット |
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デメリット |
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このサイトでは国内の制御盤メーカーを徹底調査し、
各メーカーを設計品or既製品/屋外用or屋内用という
2つの軸で比較しました。
上記の重要な2つの軸で比較しながらも、導入する側としてやはり気になるのは、製品の品質ですよね。
そのため、設計品については納品実績数、
既製品については品質に直結する試験設備の豊富さが
最も豊富な3社をピックアップしています。
設計品(屋外)なら
屋外盤 納品 実績 |
年間20,000面以上 |
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特徴 | 保護(防水・防塵)・騒音・温度問題を解決する試験設備を用意 |
設計品(屋内)なら
屋内盤 納品 実績 |
累計5,000面以上 |
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特徴 | 日本だけでなく欧州、北米の規格にも対応 |
既製品(屋内・屋外)なら
実験 施設の 種類 |
6種類 耐震、風雨、防塵、防水、日射、短絡試験 |
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特徴 | 一貫生産によって多彩な標準品を取扱い |
※それぞれ以下の条件で選定
屋外・設計品なら…Google検索「屋外盤」上位10社(2022年1月時点)のうち、公式HP記載の屋外盤の納品実績数が一番豊富な企業(年間20,000面以上)
屋内・設計品なら…Google検索「屋内盤」上位10社(2022年1月時点)のうち、公式HP記載の屋内盤の納品実績数が一番豊富な企業(累計5,000面以上)
屋内外・既製品なら…Google検索「屋内盤」「屋外盤」の各上位10社(2022年1月時点)のうち、実験施設の種類が一番豊富な企業(耐震、風雨、防塵、防水、日射、短絡試験)
通信に必要な伝送装置や光成端箱が収容できる屋外盤。
屋外光レピータ盤の中はJIS規格の19インチラックを搭載しており、19インチラック内には伝送装置の他に電源切替盤・整流器など、その他の機器も収容が可能です。
防水性能、塩害対策、熱対策も施されています。
屋外に設置された自立型の電光表示板と制御盤が一体型になった製品。
制御盤の奥行きが200mmと薄型にすることで、盤全体を軽量化。
制御盤への配線はパイプの内部を利用しており、外から引込み配線が見えない盤構造になっています。
屋内設置用の天井クレーン制御盤。
内部の制御機器はインバータとPLCが中心の制御回路となっています。
筐体をビス組構造で製作しており、溶接の筐体と比べ、安価に製作が可能です。高さが1,800mmを超える盤であっても、ビス組構造であれば量産する事にも向いています。
本社所在地 | 愛知県西尾市吉良町宮迫樫木31-187 |
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電話番号 | 0563-35-3235 |
公式HP URL | https://www.maesyou.com/ |
UL508A盤はラックマウントでも対応可能。
ユニットごとに分離させ、ラックマウントするなど、「装置の一部」として組み込む『オープンフレーム構造』で製作することができます。
「コントロールユニット」と「電源分電ユニット」を分割して、19インチラックにラックマウント型として組み込み、「電源分電ユニット」部分のみUL認定取得を取得して製作するという対応をしています。
本社所在地 | 愛知県名古屋市中川区 大当郎2-1107 |
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電話番号 | 052-301-6851 |
公式HP URL | https://www.nunome.co.jp/ |
公式HPに納品事例はありませんでした。
本社所在地 | 愛知県長久手市蟹原2201 |
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電話番号 | 0561-64-0152 |
公式HP URL | https://www.nito.co.jp/ |
設計品か既製品かという観点の他に着目すべきなのは、制御盤をどこに設置するかということ。
屋内用と屋外用では、構造や求められている性能が異なるのです。
各社で得意としている分野は異なるため、当然、屋内用が得意なメーカーもあれば、屋外用が得意なメーカーもあります。
ここまでご紹介したポイントをもとに、自社のニーズにしっかり応えてくれる盤メーカーを選びましょう。
盤メーカーでありながら、関連会社にはシステムベンダーや電気設備メンテナンスを手掛ける企業もあり、製造業に携わる企業を幅広くサポートできる体制を持っています。製品ラインナップにはメカトロ制御盤やプラント制御盤もあります。
株式会社ティエスイーは、工場・オフィス・下水処理場・廃棄物処理場・発電所など産業システムから暮らしを支える公共システム、電力システムにおける盤事業を行っています。制御盤は設計からアフターメンテナンスまで一貫して依頼が可能です。
キムラ制御システム株式会社は、制御盤をまるごと発注可能な会社です。納品まで一括してワンストップで行ってくれるので、各発注を別々の会社に行った場合に発生するような管理の手間が抑えられます。図面を発注するだけなので利用しやすいです。
主要取引先には日本電気グループ各社や東京大学、理化学研究所、JAXAなど高い科学技術を要求されるクライアントが並んでいます。主力製品は複合エレクトロニクス技術関連で、ソリューション提供や盤の施工やメンテナンスも依頼できます。
制御盤の制作実績は1,000台以上と公式HPで明記するほど、確かな納入実績を持つ盤メーカー(2022年1月時点)。さらに、ハーネス製作事業にも注力しており、その技術は制御盤製作でも活かされていて、相乗効果を生んでいます。
東レグループの企業で営業担当は西日本エリア。大型制御盤や重量制御盤といった製品をラインナップしており、PLCやタッチパネルなどソフトウェア開発込みのオーダーにもワンストップ対応。既存制御盤の更新や改造も頼めます。
大阪府東大阪市に拠点を構える「特殊電装」には、多くの設計者が在籍しているため、一貫したトータルサポートが可能です。もちろん試運転も設計担当者が対応してくれます。幅広い業種の多様な機械の制御盤製作の対応が可能な点が特徴的。
制御盤のラインナップは空調・遠方操作・ポンプ制御・電極切替・電磁弁制御と5製品を取り扱っています。産業施設の電気機械器具全般の取り扱い範囲が幅広く、分電盤やキャビネット、プラスチックボックスなどの製品も依頼できます。
公益性の高い政府や団体への多くの納入実績がある長嶺電機。工場はJSIA認定を受けており、技術資格所有者が在籍しています。また、防錆対策としてステンレス鋼板の製造もサポートしています。
発注する企業側では要求仕様書だけを用意して、制御盤・分電盤・配電盤の製作をオーダーできるメーカーです。UL508A認定工場を持っていて、ワンストップ対応で製作できますし、変更管理体制も整っているのが強みです。
キャタピラージャパンや三菱電機といったグローバルレベルのメジャークライアントとも取引実績を持つ企業。他にも発電所や変電所、医療施設など信頼性や安定性が求められる施設に製品を納入していて、小ロットから多品種まで製作できます。
スタッフには複数の電気工事士有資格者がいて、盤の発注に対して設計や製作を担当するだけでなく、設置場所での調整なども含めてサポートしてくれます。発注時、ラフ画像やアイディアレベルから相談を受けてくれる姿勢も顧客重視といえるでしょう。
山形県東置賜郡に拠点を構える「ヤマカワ電機産業」は、高低圧配電盤製作や自動制御盤製作、分電盤製作などを行っている企業です。新設の工場やビル、施設などに用いる機械制御を目的とした制御盤を完全オーダーメイドで対応しているのが特徴。設計から完成まで一貫体制の為、短納期で応じられるよう努めています。
1つの製品製作を担当するのは1人の技術者という、多能工主義を導入しているのが大きな特徴。ある意味属人的な業務体制ではありますが、発注側のニーズにできるだけマッチさせるため、スキルが高いスタッフがいてこそ可能な体制です。
太陽光発電をはじめとする各種再生エネルギー関連設備・製品が主力事業ではありますが、産業用太陽光発電ソリューション事業に関連してパワーコンディショナ屋外盤の製作に対応。耐塩・遮熱塗装もオプション対応できます。
1948年創業で長い歴史を持つ愛知県の盤メーカーで、1点モノのオーダーから対応。製作工程の中でも特に板金加工と粉体塗装を得意としています。コスト意識やエコ対策意識が高いのも特徴で、未付着の塗料はリサイクルしています。
オーダーメイドでの制御盤製作に取り組むメーカー。特にプレス加工技術と塗装技術をアドバンテージとする企業で、製作業務のオンライン化やこまめな設備刷新による効率化に取り組んでいて、品質向上と納期・コスト抑制の両立に積極的です。
提供するのは総合防災エンジニアリングで雷電対策や地震対策を中心とした各種トータルソリューションとなります。取り扱い製品の中には監視制御盤があり、SDW-MCSというシリーズはカスタム設計の発注も可、屋外・屋内用両方揃っています。
制御盤メーカーでもありますが、自社製品としては屋外収納箱や防音設備なども提供しています。試験設備が充実しているのが特徴でもあり、制御用精密測定機器や高低圧耐圧試験装置、各種リレー試験装置などが揃っています。
多種多様なオーダーメイドに応えることができる盤メーカーですが、特に強みとするのが屋外盤製作。板金加工でも高い精密板金技術を持っているほか、防水・防塵試験や環境(温度)性能試験、騒音試験の専用設備を用意しているのもオススメポイント。
取り扱い製品の主なラインナップはポンプ・消火栓ポンプの制御盤やキュービクル、分電盤など。会員企業に対するサービスが充実していて、製品選定や作図支援の関連ツールなどを提供していますし、製品図面のダウンロードもできます。
標準品として制御盤やキャビネットを筆頭に様々な製品を取り揃えていて、公式HPで検索しやすいのもUI・UXを大切する企業といえます。特注品も請け負っていますが、生産体制をシステム化して短納期で対応できるのは強みです。
制御盤やコントロールパネルの設計・製作に注力している盤メーカー。クライアント企業のニーズに沿った製作が可能で、筐体のオーダーメイドもあれば、盤の小型化やコストダウン、さらに海外規格適応など内製化で対応しています。
自社が製造業大手でありグローバル展開もするほどの企業で、主力事業は大規模プラント向けの総合制御システムです。多数ある製品ラインナップの中には制御盤もあり、製品の一般仕様書や外形図、技術情報など公開しています。
配線事業において、制御盤や分電盤、高圧受電設備、コントロールセンターなどの設備を提供しています。防塵・防雨性のほか、設備の美観に関してもこだわりを持つ別川製作所。保守や設備の更新といったサポート体制も力を入れており、安全な運用を目的とした予防保全を心掛けています。
制御盤の主な利用産業・設備などを紹介しています。設置場所は工場などの施設内に限らず、屋外設置するケースもあり、耐候性に関連する制御盤の塗装方法や塗料についても知っておきましょう。
制御盤製作に対応しているメーカーは、分電盤や配電盤も手掛けているケースが珍しくなく、こうした製作会社を「盤メーカー」と呼ぶこともあるほど。制御盤・分電盤・配電盤を混同しないように、それぞれの役割を確認しておきましょう。
屋外に設置される制御盤は屋外盤、屋内に設置される制御盤は屋内盤と表記します。制御対象となる機器や設備は同等であったとしても、設置場所次第で筐体に求められる保護性能に大きな差があるのです。
制御盤内部の機器類はデリケートなため、筐体によって強固にカバーする必要があります。制御盤の筐体製作に関する素材の違いや、防塵・防水などの保護等級、オーダーメイドという製作方法などについて紹介していきます。
制御盤の製作においても多くのニーズがあるダウンサイジング。制御盤メーカーへの発注にあたって、小型化を実現するための方法を紹介します。より細かなニーズを反映させるための、設計品という選択肢も知っておきましょう。
制御盤の製作・発注に関連して、技術者でなくとも知っておきたい基礎的な用語をリストアップ。概要を簡潔にまとめました。製品カタログやメーカーからの見積書を見比べる際に役立つので、ぜひとも覚えておいてください。
電気を制御するうえで、欠かせないのが配電盤です。配電盤は、主に電力会社などの高圧受電設備から送られた電気を変換し、各所へ分ける(配電する)ための装置です。キュービクルとも呼ばれています。一般的な配電盤は樹脂製・金属製の筐体に入っており、大型のものは漏電遮断器や制御用のユニットが組み込まれている場合もあります。
電力会社などから送られる電気は、そのままでは数千ボルトの高圧な状態です。適正な電圧で使用するためには、電圧を下げる(降圧する)必要があります。電圧が高いまま配電してしまうと、装置の破損を招いてしまうでしょう。配電盤は変圧器によって電圧を下げる役割を担っており、低圧の電力を分電盤へと送っています。
配電盤は設計がとても重要な装置です。制御盤の場合と同じく、ハードウェアそのものの設計はもちろん、回路図もしっかりと描く必要があります。
配電盤の設計は、電気設備用のCADを使用して行います。しかし、電気設備に関するさまざまな知識と経験が求められるため、自分自身で設計するのは困難と言わざるを得ません。そのため、メーカーへ設計を相談することが望ましいです。メーカーに配電盤の設計を依頼することで、回路の設計ミスなどを防止できます。なお、多くの制御盤メーカーが配電盤を取り扱っています。
配電盤の設計をメーカーに依頼する際は、コストと納期に注意しましょう。設計品は、既製品と比べて費用が高く、納期が長くなる傾向があります。設計してもらう際は、必ず設計費用・納期を確認しておきましょう。
制御盤の大敵とも言えるのが、熱、異物、結露です。制御盤の故障を防ぐためにはこれらの対策を取らなくてはいけません。制御盤は、換気や冷却が可能なものを選び、過熱や結露が起きないようにしましょう。また、自身もしくは業者に依頼して定期的なチェックやメンテナンスを行うのも大切です。
制御盤の設計は、通常の仕事と同じように申込みから打ち合わせを経て契約となってから行われます。制御盤はランプやブレーカーといったさまざまな部品で構成されており、担当者はこれらの設計を行います。また、設置する場所によっては水分や熱、寒さ、砂や土といった周辺環境に強いかどうかを確かめるための耐久試験を要します。
制御盤の制作の流れをご紹介します。制作盤にミスがあれば正常に作動しません。正しい流れでの制作が求められるものなので、行き当たりばったりで制作するのではなく、「正しい流れ」にて制作しましょう。